依存症とは

2024-03-02教えて相談室

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今回はICD-11(※)内の「11.物質使用症群または嗜癖行動症群」に則って「依存症」についてお話してまいります。ご自身やご家族が専門機関に相談したり、依存症について考えるきっかけになれば‥と思います。
(※)ICD-11って何?と思われた方は下記リンク記事をご参照ください。
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依存症には何かしらの「困りごと」が発生します。
たとえば翌朝、仕事などの予定が入っているにも関わらず夜な夜なゲームをすることが止められず、遅刻やキャンセルをしてしまう。定時に仕事へは行けるが日中、居眠りをしてしまう。そんなことが日常化している場合は依存症の可能性があります。
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薬物やアルコールなどへの依存であれば、ご自身が体調を崩す。ギャンブルや買い物への依存であれば金銭的に困る。これらは困りごとが表面化しやすいものと言えます。
そして、自分自身や周囲の人が困っているのは分かっているけれど続けたり、むしろエスカレートしたりしている状態は依存症の可能性があります。
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それじゃあ、金銭的にも、買ったモノを置く場所にも困っていなければ、どんなに買い物をしまくっても買い物依存とは言えないのでしょうか?
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その例えのケースでは、他の趣味などへの楽しみより買い物が優先されている可能性があります。このように買うこと自体、「行為自体」が目的となっている場合には専門機関へ一度相談した方が良いと思われます。
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そして、困っている周囲の人間が「お子さん」だけの場合、つまり保護者が依存症に陥っている場合はとくに注意が必要です。保護者をかばったりして誰にも相談せず、表面化が遅れる場合があります。お子さんがヤングケアラーとなってしまい、心に傷を残す可能性もあるため早期発見とケアが必要です。
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たしかに保護者のゲームやインターネットへの依存は、なかなか気づきにくい場合がありそうです。
それとはまた別の話で、DVが起きていて家族全員が口を閉ざしている場合もあるかもしれませんね。
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それから、依存症は誰でも陥ってしまう可能性のあるものです。心が弱いから、甘い人間だから陥るわけではありません。「自分は大丈夫」「私は自己管理できる!」と過信せずに、正しい知識を持って依存症について考える機会を持ってみてください。
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私もインターネット依存ではないかと思うときがあるので、今回はドキドキでした‥。
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ご自身で「もしかして‥?」と思う場合には、気軽に専門機関に相談することをオススメします。
依存症は自覚を持ちにくいものです。コントロール不能になってしまうと一人で抱え込んでしまうことになりかねません。「もしかして‥?」の段階で「いやいや、私は違う」と思わず相談することはとても大切です。先ほどお話したように、誰にでも起こり得ることです。何も後ろめたいことはありません。
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専門機関はメンタルクリニックに限らず、保健所や精神保健福祉センターにも窓口があったりするみたいですね。
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お友達に相談すること自体は悪いことではないのですが、呑み仲間だったりギャンブル仲間だったりすると「そんなの大したことないよ、自分なんてさぁ‥」となってしまう場合もありえます。客観的に話を聞いてくれる、そのような専門機関にご相談されることをオススメします。
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話すことで自分を客観的に見られるきっかけになることもありますもんね。
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最後に、依存症を診断できるのは精神科医の先生で、適切な治療やケアを受ければ回復することは可能です。ご自身の体のためにも、まずは保健所や精神保健福祉センターにご相談ください。

【参考文献】
樋口進:物質使用症又は嗜癖行動症群.精神経誌.124(12).2022

【依存症についてもっと知りたい方へ | 厚生労働省】
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000149274.html

【ヤングケアラーについて | こども家庭庁】
https://www.cfa.go.jp/policies/young-carer

(2024,03,02 追記)

本記事は参考文献を参照しつつ、上記画像のDisorders部分を依存症または依存として記述しました。