私がメンタルクリニックで「思ってたのと違った」と感じた点

2022-03-13メンタルクリニック

当サイトでは「モヤモヤ(生きづらさ)改善」のために、メンタルクリニック受診をオススメしています。それは私がメンタルクリニックを受診し、臨床心理士の先生のカウンセリングを受けることでモヤモヤがだいぶ改善したからです。

ですが、長所だらけで大絶賛!という訳でもなく、私が当初持っていたメンタルクリニックやカウンセリングへのイメージ・期待と違う点もありました。

それは‥

  1. 受診すれば、必ずスーッとスッキリ良くなるというものではない。
  2. 時間も必要。
  3. メンタルの先生やカウンセリングの先生は「モヤモヤ改善」の手助けとなる「ヒント」をくれるに過ぎず、自分自身にきちんと向き合い考えたり動くことが必要。→病院外でも自分の力で努力し実感することが大切。

‥という点です。
この記事では3点目を中心に説明していきます。

モヤモヤ改善は、例えるならば「登山」

自分の経験から「モヤモヤ改善の旅」は「山登り」で例えられると私は感じました。

登山

そして、私はメンタルクリニックを受診すれば「ロープウェイ」に乗れるものだと受診前は思っていました。

しかし、メンタルクリニックにロープウェイはありませんでした。

ただし、メンタルの先生は「登山の必要がある(=カウンセリングなど)」と判断した患者さんが、自分の足で山へ登っていく気力が無くなっている(=うつ・抑うつ状態)と診断した場合には、お薬を処方してくれます。

まず最初に登山する気力・体力が回復する、手助けをしてくれたりします。

登山はつらい

そして「山登り」は、主に臨床心理士や公認心理師などの先生に手伝って頂いて「カウンセリング」という形で行うことになるかと思います。

「手伝う」とは言っても、ステッキやロープの使い方を教えてくれるようなイメージです。ヒントを下さって、私たちが自分の足で登っていくのを優しく見守ってくれるような感じです。

(「山登り」でのメンタルの先生の役割は、山登りのアドバイスはもちろん、体力・気力があるか?を引き続き判断してくれたり、転んで怪我をしたら手当てをしてくれる監督兼チームドクター的なイメージでした。※あくまで私の体験談です)


何もかもを「教えてもらえる。治してもらえる(=ロープウェイに乗れる)」と考えたままで自分自身を見つめ直して考えることをしないままだと、ここで挫折してしまうのかもしれません。

「こんなはずじゃなかった!」と。

そして、自分の足で山に登っていくことは辛く厳しいものです。

ときに自分自身で認め受け入れたくないことや、怒りや悲しみなど負の感情とも向き合わないとならないこともあるかもしれません。

つらいわ、先生は直接的に助けてくれないわのダブルパンチで、投げ出して逃げ出したくなるかもしれません。

「もうええわ!」

(※先生方は「直接」助けてくれないだけで、つらい気持ちに共感して寄り添ってくれます。そこまで冷たく突き放しませんのでご安心ください)

ロープウェイを使わない理由

それでは、なぜ先生方はヒントをくれるだけでロープウェイを使わせてくれないのでしょうか?

ここからは犬に追いかけられた経験から、「犬恐怖症」になってしまったケースで例えて考えて行きます。

犬に追いかけられたトラウマ体験

リードに繋がれていない飼い犬に追いかけられたときの恐怖から「全ての犬は怖いものだ」と認識してしまうようになってしまったケースです。犬には触れられないどころか、近付くことさえ出来なくなりました。

この件は客観的に俯瞰して見ると、

・飼い主のしつけがなっていない
・犬をリードにちゃんと繋いでいない

以上の理由で、犬の「飼い主が非常識で悪い」のです。
この世に存在する、飼い犬全てを怖がる必要はありません。

ですが、一旦植え付けられてしまった恐怖は「あの時は運が悪かっただけなんだ。大丈夫なんだ」と頭で分かっても、すぐに取り払えないものですよね。怖いものは怖いんです。この犬恐怖症の人に対して「それは飼い主が悪かっただけだよ。なんで分かんないの?いつまで恐がってんの?」とは言わないでしょう。

大丈夫の体験

この人の「犬恐怖症」を改善するためには、きちんとした飼い主さんの犬が人を追いかけたりしていないところを遠くから見たりして、少しずつ「大丈夫」の経験を積み重ねていくことになります。

そして、心の底から「あの時の犬は飼い主が悪かっただけなんだ」と実感できるようにならないとなりません。自分の足で山登りをして実感しないとならないのです。

そうなんです。今の例えは「犬恐怖症」でしたが、「モヤモヤ(生きづらさ)改善」も同じことでした。

どんなに理屈を頭で理解したとしても「モヤモヤ改善」にはならず、体感・実感してはじめて「改善」に繋がるのだと私は思い知らされました。私はそれを経験して、気付かされました。

だから先生方は私に自分の足で山登りをするように促したのです。

ポイント

生きづらさ改善を目的としてメンタルクリニックを受診する際には、「もしも登山をすることになったら、ロープウェイは存在しない」と思って受診して下さい。
自分の足で登って実感しないと「改善」には繋がらないためです。

最後に

ロープウェイは使わない自力での山登りは大変でしたが、私はメンタルクリニックを受診したことを後悔していません。むしろ良かったと思っています。

それは、頭の中が散らかってしまっていると自分自身を客観視することはとても困難で、自分一人の力だけで登っていくことは不可能だったと感じているからです。

カウンセリングの先生は、そのような難しい状況でも登山をお手伝いする「気付かせ」のプロなんだなぁと感じています。

そして、メンタルの先生もカウンセリングの先生も、人間が持つ「心の回復力」を信じてアプローチをし、お手伝いしてくれていたんだな‥と今では感じています。


さて、ここまで大変な山登りでしたが、私はゴールに辿り着いたのかどうか、今でもよく分かっていません。

もし辿り着いていたとしても、無事下山してこその登山で、まだまだ困難が待ち構えているかもなぁと考えています。

そして、下山する頃に寿命を迎えるのかもしれないなぁ?いや、そもそも頂上が寿命なのかも?などと色々妄想する今日この頃です。

(とにかく、まだまだ旅は続く。続くったら続く)