罪業妄想

体験談

うつなど、精神疾患の症状の1つに「罪業ざいごう妄想」というものがあります。

これは過去に起きたことも含めて「自分が悪い」「自分は悪者(罪人)」などと思い込むものです。例えば過去にゴミの分別を間違えたことを「私は社会のルールを守れない罪人だ」と思い、警察に出頭したり、罪人であると強く思い込んで自分自身の存在を否定したりするのです。(確かにルールは守らなければなりませんが、誰にだって間違えはありますし、いつも完璧な人間などいません。もし、知らなくて注意を受けたのなら、そこからきちんと守れば良いだけ…と相手に伝えても、思い込みが強くて聞き入れてもらえない可能性が高いのです)

私がメンタルの調子を崩したとき、私の身の回りで起きた他人の悪いことを「何もかも自分のせい(誘因)なんじゃないか?」と思ってしまうことがありました。(ただし「私は罪人だ」とまでは思い込むことはありませんでしたので、私の場合は罪業妄想ではなく不安障害による症状と思われます)

もしも、新型コロナウイルスが流行し始めた頃までに私のメンタルが回復していなかったら
「コロナは自分のせいなんじゃないか」
と、思っていた可能性があるくらいです。

経験したことがない方にとっては「まさか!そんなこと、良識的に考えてある訳がないじゃないか」と思われるでしょう。でも、メンタルの調子を崩したときには、冷静に考えたらあり得ないようなことすら思い込んでしまうのです。

ここからは私の経験からの意見になりますが、もし身近な方がこのような妄想の症状を示し、冷静に考えたらあり得ないようなことを言ったときには、それを否定するような物言いだけはしないであげてください。(直接的な否定だけではなく「考えすぎだよ」も否定に含まれます)一番大切なのは、その方が他人を傷付けたのかもしれない(迷惑をかけたのかもしれない)という不安の中にいるということ。ただ、それだけを頭に置いておくことです。相手の不安を取り除こうとしても前述した通り、思い込みが強くてそれは出来ない可能性が高いです。(私がそうでしたので…)

相手の不安感が強すぎて自分の話を聞き入れてもらえないときにはもどかしく、心配になってしまうかもしれません。相手の不安感に引っ張られているような感覚を覚えるかもしれません。そんな時には、ご自身・ご家族の心を守るためにも専門家や自治体の相談窓口などに頼ることを決して忘れないでください。

私の場合、メンタルが回復していくにつれ、また「大丈夫だった経験」を1つずつ積み重ねていくにつれ、徐々に…ではありましたが冷静に物事を見られるようになっていきました。

あわせて読むと深まるオススメ書籍

番外編 (こぼれ話)

今回、ゴミの分別間違えを例え話にしましたが、私も過去にやらかしたことがあります。

アマ○ンなど通販で買い物をした時に、隙間を埋めたりする梱包材として紙がクシャッと丸めて入っていることがあります。私はこの紙を「資源ゴミ」なんだと思い、ダンボールと一緒にマンションの共同ゴミ置き場に捨てました。

数日後、別のゴミを捨てに行ったら資源ゴミ置き場に紙が貼ってありました。読んでみたら、あの梱包の紙は資源ゴミではなく可燃ゴミで捨てて下さい…と書かれていました。
(※)これはあくまで私が住んでいた地域での分別ルールです。ゴミの分別は自治体によって異なるため、お住まいの地域でご確認ください。

ゴミ分別

何がどう違うのかをきちんと指摘して頂いたため、私も改善できました。マンションのゴミ管理をしていた方。あの時はありがとうございました。