メンタルクリニックでの診断基準 ~ DSM と ICD ~

HSP,メンタルクリニック

メンタルクリニックで診断の際に使われているものに、DSMとICDというものがあるそうです。

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まずは2つの違いを表にしました。ご覧ください。
DSMICD
発行元米国精神医学会(アメリカの民間団体)世界保健機関 WHO(国際機関)
内容精神疾患専門のマニュアル精神疾患を含む、全ての身体疾患・
関連保健問題も含めての分類
現行DSM-5(2013年5月~)ICD-11(2022年1月~)
(ICD-10は1990年~)
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DSMは「Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders」の頭文字を取ったもので、日本語訳は「精神疾患の診断・統計マニュアル」です。
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どんなマニュアルなんですか?
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「今ある」具体的で観察可能な症状から判断できる「診断基準」を設けることで、精神医学の信頼性を上げているマニュアルだそうです。
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他の診療科のような検査などでハッキリ出来ない部分を補って、診断を一律にしているものなんですね。
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一方、ICDは「International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems」の頭文字で、日本語訳は「疾病及び関連保健問題の国際統計分類」です。
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な、長くて覚えられません‥。
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略して「国際疾病分類」と呼ばれているようです。ICDは、あらゆる身体疾患、妊娠・出産などの関連保健問題も含めた分類です。公的な書類に記載される診断名は、このICDに則って記載されます。

以上、ここまでのDSMとICDの違いに関する記述部分は下記の文献を参考にしました。

針間克己『性別違和・性別不合へ』緑風出版,2019

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「HSPは病気ではありません」と言われるのは、この2つのどちらにも含まれていないからですか?
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そうですね。
そもそも人間が持つ感受性の個体差は自然なことですので、載せる必要もないと判断されているのでしょう。
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今後、HSPが載る可能性はないのでしょうか?
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社会情勢上、掲載の必要があるとの声が大きくなったり、現行のDSMやICDでまかないきれない部分が出てきたら、その可能性はあるのではないかと思われます。
それは、病気じゃないものを病気扱いするのはおかしいよね。でも、困ったり苦しんでいる人は医療や医療保険でスムーズにサポート出来るようにしようよ!という考え方が、DSMやICDにはあると私は感じるからです。
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必要なことは必要!と、声を上げて行くのは大事なことですよね。
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もっとも、「病気」と認定されても、そのサポート体制がしっかりとなされていなければ意味がないものになってしまいます。目的は「病気と認定されること」ではありませんからね。
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メンタルの困っていること、生きづらさを改善・軽減すること‥ですよね。
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あと、「予防すること」も忘れてはいけません。メンタルヘルス分野においても大切です。

(※)話は逸れますが、日本では子どもを虐待して死傷させてしまった保護者が逮捕されたニュースや、刑事罰を受けることになった判決のニュースが流れるばかりです。虐待してしまう心に対してアプローチをする「回復・治療プログラム」はまだ一般的ではなく、サポート体制が遅れているなぁ‥と感じています。