子どもの脳を傷つける親たち
子どもに対するマルトリートメント(=周囲の大人の不適切な養育行為。これは「虐待」と定義されていることだけとは限らない)が、脳に与える実際の影響などを小児精神科医である友田明美先生が現場の経験から伝えている著書です。
先に紹介した「ひといちばい敏感なあなたが人を愛するとき」を読んでいると「愛着」というキーワードが出てきます。
・この「愛着」とは何なのか?
・もしかすると自分の「愛着」に何か問題があるのだろうか?
と、思ったときに読んでみて欲しい1冊です。
オススメ ポイント
・マルトリートメント(不適切な養育)とは何か?を知ることが出来る
・マルトリートメントが脳に及ぼす具体的な影響を知ることが出来る
・専門用語である「愛着(Attachment)」とは何か?が分かりやすく説明されている
・マルトリートメントを受けた子どもたちが、現在どのような治療を受けているのかを知ることが出来る
・海外の専門家の著訳書ではないため分かりやすい
マルトリートメントによって脳の一部分が通常と異なる変化(委縮もしくは肥大)をしてしまうという事実が、実際のfMRI画像などとともに紹介されています。
これは私にとって、とても衝撃的な事実でした。
しかしその一方で、きちんとした「手当て」が行われれば成人の脳であっても再生・回復の可能性が指摘されていて、心の傷も回復するということも書かれていて安心できました。
なお、この本の約2年後に発行されている友田先生の著書もオススメです。
「親の脳を癒やせば子どもの脳は変わる」
(NHK出版)
友田 明美 著
こちらの本ではマルトリートメントが脳に及ぼす影響とともに、親子間での負(マルトリートメント)の連鎖についても言及されています。
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